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永年にわたる資金調達コンサルティングの豊富な体験を基に、資金調達のイロハから、高度なノウハウまで、資金調達に関連する情報満載のブログです。 別に運営する「思うように資金調達ができない方へ」のデーターベース的なブログでもあります。
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【社長の錯覚④ 不動産の見方】

不動産に対する見方を、私の付き合っている銀行や金融会社の見方を参考に、
資金調達コンサルティングの現場から感じる不動産の見方について今日は書きたいと思います。

1回目のブログでも書きましたように、私は1990年頃、いわゆるバブルと言われた時期に、某都市銀行の協力を得て、ピーク時には30棟ほどの商業ビルやマンションビルに投資していた時期があります。その後バブル崩壊で全てを失いましたので、私は大失敗者です。ですから不動産の見方に対して、ひょっとするとネガティブな方向にどうしても偏向している可能性もありますので、この点はぜひご認識いただきながらお読み下さい。

金融機関の不動産の見方を一言で言うと、かけがえのない、持っているだけで信用力をオーナに与える資産から、収益を生む資産に過ぎないものとなったと言うのが実状です。特に土地は収益を生むための一つ材料として捉えています。
ですから、収益の上がらない不動産の価値は極端に言うとゼロと考えているのではないのかと思います。

時々お聞きになると思いますが、現在の不動産の価値は、収益還元法で計算されます。
たとえばある商業ビルの年間の受取家賃が月200万、年収で2400万円、室を借りるテナントから預かる保証金が1000万円~2000万円とします。
評価は、路線化や公示価格といった価格を参考にするのではなく、いくら家賃を取れる不動産かで算出します。
もちろん地域によって、テナントがすぐに入る立地かどうか?また新しく入るテナントの家賃の相場の高低、不動産の買手が感じる「購入する不動産の利回りへの期待値」が違うため、実際に不動産担保ローン専門の金融機関が行う不動産評価算出方法で4つの地域の不動産評価を算出してみます。

A地域の物件 利回りが6~8%前後で買い手がつく地域
 例:東京の千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の一等地など
 評価:3億2千万円
・2400万円÷0.07(7%)≒3億4千万円 
・3億4千万円-2千万円(保証金)≒3億2千万円

B地域の物件 利回りが8~10%前後で買い手がつく地域
例:東京のAの地域以外の区、大阪、名古屋の超一等地など
 評価:2億6千5百万円
 ・2400万円÷0.09(9%)≒2億8千万円
 ・2億8千万円-1千5百万円(保証金)≒2億6千5百万円

C地域の物件 利回りが10~12%前後で買い手がつく地域
例:AB以外の首都圏の一等地、他の政令指定都市の一等地など
 評価:2億3千万円
 ・2400万円÷0.09(10%)≒2億4千万円
 ・2億4千万円-1千万円(保証金)≒2億3千万円

D地域の物件 利回りが12~15%前後で買い手がつく地域
例:地方の県庁所在地レベルの都市の一等地、政令指定都市の準一等地など
 評価:1億9千5百万円 
 ・2400万円÷0.12(12%)≒2億円
 ・2億円-5百万円(保証金)≒1億9千5百万円

上記以外の地域にお住まいの方には本当に申し訳ないのですが、上記以外の不動産の価値については、地元の銀行や信用金庫などは評価を認め、融資を受ける会社の事業性や財務内容を勘案して融資につながる可能性はありますが、純粋に不動産価値だけを担保に融資する全国レベルの不動産担保ローン専門の金融機関は、基本的には上記以外の地域の不動産について、価値は測定不能と判断し、融資をしないのが現状です。

ではなぜこのような、一見不条理とも思える判断をするのかといえば、いくつか理由があります。
1.マクロ的に見て、まだ日本の土地は高すぎる
2.少子高齢化や2007年から人口が減る問題
3.日本の経済力低下
4.東京など大都市と地方の格差拡大傾向


以上のような判断のもと、2007~8年頃までは、今の不動産価格が維持されるものの、それ以降は、収益性の高い一等地以外の不動産価格は大幅に下がるかも知れないと予測しているからです。もちろん不動産価格は様々な要因で変化するため、逆に不動産価格が上がる可能性も皆無とはいえませんが、可能性は低いと判断しています。

次回もこの続きで、住むための住宅やマンションの購入についてお話をしたいと思います。
宜しければまた覗いてみてください。

★05年2月の記事
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プロフィール
私は資金調達コンサルティングをコア事業にした会社を、事業パートナーの都市銀行出身の元銀行マンと経営しています。 私の前職は不動賃貸業や不動産開発業の会社のオーナーで、バルブ期にはピークで約500億円の借入金があり、この処理にあたって修羅場もくぐり、この時の経験から銀行被害の方へのサポートをするようになり、このことが高じて、現在の中小企業や個人の方々の資金調達のお手伝いの仕事を始め、現在に至っています。
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