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永年にわたる資金調達コンサルティングの豊富な体験を基に、資金調達のイロハから、高度なノウハウまで、資金調達に関連する情報満載のブログです。 別に運営する「思うように資金調達ができない方へ」のデーターベース的なブログでもあります。
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あらゆる資金調達において,税金の滞納は致命傷です。
特に不動産担ローンの場合、お手伝いをしていて、よく直面するのは、固定資産税の滞納が原因で融資を受けられないケースです。

固定資産税のみならず、どの税金も、高額で長期間滞納すると所有不動産がある場合は差押さえを受ける可能性が高くなります。この差押さえは、他の金融機関の抵当権よりも優先されますので、金融機関は税金を滞納している顧客を非常に嫌がります。

特に不動産担保融資は不動産の担保力を前提に融資される訳ですから、滞納がある場合、差押さえがなくても、未納が分かった段階で非常に厳しくなります。

この前もあった実例ですが、銀行から新規事業の資金調達を断わられた会社が、新規事業のパートナーから不動産の担保提供を受けて、不動産担保ローン専門のファイナンス会社から5千万円の融資を受けようとした案件でした。
不動産の担保余力も十分あり、物件の実地監査も終わり、いよいよ正式契約の段階になって、納税証明書の提出を求めたところ、担保提供者の所得税、固定資産税など1億円近い滞納が分かり、融資が駄目になったケースでした。

確かに担保提供をしていただく協力者に税金の滞納があるかどうかの確認はしにくいこともよく理解できますが、このケースでの問題点は、融資を受ける会社の社長も、担保提供者も、担保提供する方の税金の未納が融資の阻害要因となることをご存じなかったことです。

このケースは弊社にとっては日常茶飯事の出来事なぐらい、
不動産を所有する方の固定資産税滞納は多いですね。折角の所有不動産の担保価値を殺してしまうことになりますので、ぜひ気をつけていただきたいと思います。

もちろん融資を受ける当事者の会社に滞納があった場合も同様です。
過去の実例としては、東京の某ターミナルに隣接する良い場所で、飲食店舗を経営している会社ですが、
固定資産税などの税金の未納が原因で、
前向きな店舗改装などの資金調達が非常に難しい状況になっていました。
現在の社長のお兄様が起業された会社で、5年前に先代の社長が急にお亡くなりになって、現在の社長が事業を継承したところ、借入金の債務不履行や税金の未納が分かり、現在懸命に再建をされている状況です。

現社長は、銀行からの借入金4億円の中、約3億円返済し、融資残高が約1億円までになったので、担保余力は十分で、新規投資のための融資も通常なら受けることができるのですが、様々な税金の滞納額が約1億円ほど残っているため、差押さえは入っていませんが、融資を受けることができない状況になっています。
この結果、店舗の改装や店舗運営に不可欠な投資を行うことができず、売上も利益も下降気味になってきています。

税金の滞納が融資の選択肢の幅を大幅に狭めている典型的な例で、滞納額が小さければ、
不動産担保ローン専門のファイナンス会社より、融資後、滞納の税金を最優先で納付することを条件に、
融資が実行されることはありますが、余りにも滞納額が大きいため、
ファイナンス会社が融資に難色を示しており、この部分の交渉をしている最中なのですが、
この場合の問題点は、銀行からの競売を恐れた余り、
税金をほとんど納付せずに銀行への返済を優先してきたことです。
もし、税金の納付にも配慮し滞納額がなければ、銀行からの融資残高がその分増えていたとしても、
担保余力はあるので、新規投資のための融資を受けることのできる可能性がかなり高かったのではないかと思われます。

会社の業績が悪化すると、税金の納付を先送りし買掛金の支払いや銀行返済を優先する社長が多いのですが、税金の滞納は資金調達の可能性を大幅に低下させますので、納税は資金繰りをする時に最優先でお考え頂くことがとても大切です。

特に不動産を所有する会社や個人の方の案件を見ますと、資金繰りが悪化した場合、固定資産税を滞納する方が余りにも多いので、ぜひお気を付け頂きたいと思います。
 
アドバイス 
滞納額が小さければ、税金の滞納があっても、不動産担保ローン専門のノンバンクの場合、融資は可能なので、差し押さえ解除などにもこのローンは利用できます。
 
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プロフィール
私は資金調達コンサルティングをコア事業にした会社を、事業パートナーの都市銀行出身の元銀行マンと経営しています。 私の前職は不動賃貸業や不動産開発業の会社のオーナーで、バルブ期にはピークで約500億円の借入金があり、この処理にあたって修羅場もくぐり、この時の経験から銀行被害の方へのサポートをするようになり、このことが高じて、現在の中小企業や個人の方々の資金調達のお手伝いの仕事を始め、現在に至っています。
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